2026/02/20
二十四節気のひとつ「雨水(うすい)」は、雪が雨へと変わり、空気の冷たさの中にも春の気配がほんのり漂い始める頃です。
暦の上では春に向かう節目ですが、海の中にはまだ冬の名残がしっかりと残っています。その象徴のひとつが、冬の味覚として
知られる“なまこ”です。
◆ 冬の海が育てる、なまこの旨み
なまこは水温が下がる冬に身が締まり、ぷりっとした歯ざわりと深い旨みが際立ちます。 特に寒の時期(小寒〜大寒)に育った
なまこは、透明感のある海でゆっくりと成長し、味わいが最も良いとされます。
雨水の頃になると、海の表情は少しずつ変わり始めますが、なまこはまだ旬の終盤。 「冬の恵みを名残惜しむように味わう」には、
ちょうど良い時期です。
◆ 雨水と“冬の名残”という情緒
雨水は、春の兆しが見え始める節気。 とはいえ、風はまだ冷たく、海辺を歩けば冬の気配がしっかりと残っています。
そんな季節の境目にいただくなまこは、どこか特別な味わいがあります。
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冬の海の静けさ
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春を待つ気持ち
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季節がゆっくりと動き出す瞬間
これらが重なり、食卓に小さな物語が生まれるようです。
◆ なまこの楽しみ方
なまこといえば酢の物が定番ですが、地域によっては干しなまこを戻して煮物にしたり、中華料理の高級食材として使われたりと、
実は奥深い食材です。
雨水の頃は、まだまだ冷たい料理が恋しい季節。 さっぱりとした酢の物はもちろん、温かい料理に取り入れても、なまこの旨みが
じんわりと広がります。
◆ 季節を味わうという贅沢
二十四節気は、自然の変化を細やかに感じるための知恵。 雨水の頃に旬の終わりを迎えるなまこは、まさに「季節を食べる」楽しみを
教えてくれる存在です。
冬の名残を味わいながら、春の気配を感じる。 そんな時間を、食卓で過ごしてみるのも素敵です。