2026/09/11
前回は肝腎かなめのお話をしましたが、東洋医学の中で「腎は肝の親」という考え方に出会うことがあります。
腎臓が肝臓の親?現代医学の感覚では、ちょっと不思議に聞こえますよね。
これは実際の臓器の親子関係を意味しているのではありません。
その背景にあるのが、東洋医学の基礎となる「五行(ごぎょう)」という考え方です。
今回は「腎は肝の親」といわれる理由から、肝と腎の関係、そしてナマコとの意外なつながりを見てみましょう。
五行では「腎=水」「肝=木」
五行説では、自然界のさまざまなものを木・火・土・金・水という五つの要素に分類して考えます。
東洋医学では体の働きも五行に当てはめられ、
肝 → 木 心 → 火 脾 → 土 肺 → 金 腎 → 水とされています。
ここで注目したいのが、腎=水、肝=木という関係です。
植物を思い浮かべてみてください。木が育つためには水が欠かせません。水によって木が養われ木は成長していきます。
五行でも同じように、「水は木を生ず」と考えます。これを「相生(そうせい)」といいます。
水が木を育てる。だから「腎は肝の親」
五行の相生関係は、木 → 火 → 土 → 金 → 水 → 木と循環しています。
一つ前の要素が次の要素を生み出すことから、これを親子になぞらえて「母子関係」として説明することがあります。
腎は「水」。肝は「木」。そして水 → 木です。そのため、腎(水)=母 肝(木)=子という関係になります。
これが「腎は肝の親」といわれる理由です。
木を元気にしたければ、水にも目を向ける
一本の木の元気がなくなったとします。木だけを見ているのではなく、「木を育てている水はどうだろう?」と、
その源にも目を向ける。そんな発想です。
東洋医学には「虚すればその母を補う」という考え方があり、不足している「子」を考える際、その「母」との関係にも着目します。
肝(木)だけを見るのではなく、その母にあたる腎(水)との関係も考えるわけです。
体の一部分だけを見るのではなく、どこから養われ、どこへつながっているのかを見る。これも東洋医学の特徴の一つといえるでしょう。