2026/10/03
朝晩の空気がひんやりし、少しずつ秋の深まりを感じる季節。
「なんとなく疲れやすい」
「冷えが気になってきた」
「夏の疲れが残っている気がする」
そんな変化を感じる方もいるのではないでしょうか。
中医学では、自然界の季節の変化と人の体は深く関係していると考えます。
秋に関係が深いのは「肺」、そして、その次にやってくる**冬と深い関係にあるのが「腎」です。
だからこそ秋は、冬を迎える前に「腎」をいたわる準備を始めたい季節です。
中医学でいう「腎」とは?
中医学の「腎」は、現代医学でいう腎臓だけを意味するものではありません。
生命活動の基礎となる「精」を蓄える場所と考えられ、成長・発育・生殖・老化などとも関連づけられています。
そのため中医学では、年齢を重ねてからの養生を考えるうえでも「腎」を大切にします。
秋は「乾燥」と「冷え」に気をつけて
秋になると空気が乾燥し、気温も少しずつ下がっていきます。
中医学では秋の乾燥を「燥邪(そうじゃ)」と呼び、まず「肺」をいたわることを大切にします。
そして晩秋になり寒さが増してきたら、冬に備えて体を冷やしすぎず、無理にエネルギーを消耗しない生活を意識します。
「秋だから腎が弱る」というよりも、秋のうちから冬の腎養生に備えると考えると分かりやすいでしょう。
秋から意識したい3つの養生
冷やしすぎないこと。
暑い夏の習慣のまま冷たい飲み物や食べ物を続けるのではなく、気温に合わせて温かい料理や飲み物を取り入れていきましょう。
睡眠を大切にすること。
夏と比べて日が短くなる秋は、自然界も少しずつ「休む季節」へ向かっています。夜更かしを続けるより、十分な休息をとることを意識します。
旬のものをバランスよく食べること。
中医学の食養生では、黒豆、黒ごま、きくらげなどの「黒い食材」が腎と関連づけられることがあります。
ただし、「黒いものを食べれば腎臓が良くなる」という意味ではありません。あくまで中医学における伝統的な食養生の考え方です。
海の食材「なまこ」も腎と関係が?
実は、中医学でなまこ(海参)は、「補腎」の食材の一つとして伝統的に扱われてきました。
中国では「海参」と呼ばれ、古くから食文化の中で珍重されてきた食材です。
日本でも、なまこは冬を代表する海の味覚。
秋が深まり、冬へ向かう時期に「なまこ」が旬を迎えていくことを考えると、季節と食のつながりを感じますね。
秋は「頑張る」より「冬への準備」
秋は実りの季節である一方、自然界が活動的な夏から静かな冬へと向かう転換期でもあります。
私たちの暮らしも同じように、
しっかり食べる。
しっかり眠る。
冷やしすぎない。
無理を重ねない。
そんなシンプルなことを大切にしてみてはいかがでしょうか。
冬になってから慌てて養生するのではなく、秋から少しずつ整えていく。
それが中医学の考え方を暮らしに取り入れる、やさしい方法の一つです。
海の恵みである「なまこ」も、そんな季節の食養生を楽しむ食材の一つとして、秋から冬の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
※本記事の「腎」「肺」「補腎」などは中医学における伝統的な概念であり、現代医学の腎臓・肺の機能や、疾病の治療・予防効果を意味するものではありません。